(掲載:2011/02/08)

 慶應技術士会は、 2010年12月11日(土)に、第2回『学生と技術士の対話会』を開催しました。 この対話会は、企業、官公庁、大学、研究機関、技術士事務所等で技術士として活躍する塾員らが、 学生の方々に、技術士の魅力、資格取得のメリットなどを直接会って話し、自身の経験とあわせて伝える懇談会であり、 昨年2009年9月に続く第2回の開催となりました。

学生諸君にとっては、現在、社会で活躍する技術士諸先輩の、 大学を卒業されてからこれまでの経験を聞くことにより、JABEEのメリットを活用する指針になるとともに、 学生生活では、ともすると得難い、世代を超えた方々とのコミュニケーションを得る機会になります。

一方、塾員にとっては、自らの経験を若き塾生に伝えることを通じて、技術士資格の啓蒙活動になるとともに、 矢上の教室にて、一つ机を挟んで、若き学生諸君と向き合い、彼らを見つめ、ともに語りあうことで、日々の生活では忘 れがちな技術者、ひいては社会人としての初心を思い起こす機会を得られます。

これは、福澤先生の率先され た「半学半教」の実践でもあります。

当日は、以下の進行に沿って、参加技術士、学生諸君の間で、活発な懇談 が行われました。


第2回『学生と技術士の対話会』-技術士の魅力とは- 主催:慶應技術士会 共催:理工学部機械工学科

日時:2010年12月11日(土) 14:00-16:00
会場:慶應義塾大学矢上キャンパス 創想館2階セミナールーム3

*—– プログラム:(進行役 石井正則幹事) —–*

1.対話会開催の趣旨説明(教育検討委員会 志澤委員長)
2.開会の挨拶(慶應技術士会 花谷会長)
3.参加技術士の業務等紹介
4.対話(懇談) 小グループによる懇話
5.閉会の挨拶

以下に、当日の模様を写真とともに紹介します。

【石井幹事による司会と 参加技術士・学生諸氏】
【石井幹事による司会と
参加技術士・学生諸氏】

【志澤委員長(理工学部教授) による本会の趣旨説明】
【志澤委員長(理工学部教授)
による本会の趣旨説明】

【(社)日本技術士会発行の 資料の配布も実施しました】
【(社)日本技術士会発行の
資料の配布も実施しました】

【小グループに分かれての 対話会(懇談会)1】
【小グループに分かれての
対話会(懇談会)1】

【小グループに分かれての 対話会(懇談会)2】
【小グループに分かれての
対話会(懇談会)2】

【小グループに分かれての 対話会(懇談会)3】
【小グループに分かれての
対話会(懇談会)3】

懇談会当日は、天候にも恵まれ、冬の訪れを告げるかのように、 日吉の並木銀杏の木ノ葉が一斉に淡い山吹色に染まり、日吉校舎正面の並木道に、年に一瞬のたおやかな絨緞を敷き詰めていました。

会の初頭、司会役の石井幹事から、当懇談会は昨年2009年9月にも実施され、大変好評であったことから、第2回目を開催 するに至った旨の説明があり、このような機会を与えてくださった大学関係者、及び、平素多忙にも関わらず参加を快諾してくれた 技術士諸氏、ならびに、学び取る姿勢、意欲が旺盛な学生諸君に対して、感謝の言葉がありました。

続いて、教育検討委員会 志澤委員長:理工学部機械工学科教授から、本対話会の趣旨説明があり、ぜひ学生諸君は、この 機会に先輩諸氏から、普段の大学生活では得られない、経験に基づく豊富な知見・情報を吸収してほしいとの発言がありました。

続いて慶應技術士会、花谷会長からの開会の挨拶では、技術士、学生諸君とも、本機会を通じて、ともに切磋琢磨し、意見 交換をして有意義な時間にしていただきたい、との激励がありました。

対話会は、3班の小グループに分かれて行われ、机をはさんで向き合い、技術士と学生が3名同士、計6人づつ、以下のよ うな内容を基に活発な意見を交わし、議論を深めました。

【塾員技術士側】
・技術士という資格を意識し始めた頃、またその動機
・資格取得に向けて実施したこと
・取得前と後の変化(自分の中、周囲の状況)
・技術士資格取得のメリット
・今、現在の業務について
・人生の中での、仕事における成功体験、失敗体験
・若き学生へのアドバイス

【塾生学生側】
・技術士という資格は、どんな位置付けなのか
(他の資格、たとえば医師、弁護士、弁理士、公認会計士等、と比較して)
・具体的な取得方法(必要な要件、受験方法、受験に係る費用など)
・社会における技術士への評価(企業等における待遇、報酬など)
・業務上、資格取得が有効な場面について
・仕事における成功体験、失敗体験
・企業人・社会人としての心構え
・海外業務での経験談

本対話会参加者は、学生参加者9名、技術士参加者11名となり、大変盛況なものとなりました。

このような機会を与えてくださった、母校慶應義塾大学ならびに関係者各位に、ここに改めて御礼申し上げます。

懇談会では、ケーキと珈琲をいただきながら、和やかな雰囲気の中で、活発な意見交換をすることができました。

後日、学生からは、特に大学を卒業(修了)されてからの経験談を聞けたことが有意義であり、また技術士として活躍する諸 先輩を見て、いつか自分も技術士になってみたい、との意見が多く寄せられました。また、他学部、たとえば法文系、経済商学系の学生 の中には、それぞれ司法試験や公認会計士試験を意識し、その取得を目標とする者もいるが、理工学部機械系にも、目指すべき国家資格 があることが分かり、新鮮な驚きであった、等の意見もありました。本対話会の後、技術士補登録された学生(修士・博士課程)も何名 かおります。

学部課程にてJABEEを取得した学生諸氏が、今後広く国内外で活躍することを願ってやみません。